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不動産売却時の売主の契約不適合責任とは

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不動産の売却における、売主の「契約不適合責任」について説明します。


不動産を売る時、「この家はこういう状態ですよ」と説明して、買い手と合意の上で契約を結びますよね。契約不適合責任というのは、簡単に言うと「売ったものが、契約で約束した内容と違っていた場合、売り主さんが責任を取らなきゃいけないよ」というルールのことなんです。

以前は「瑕疵担保責任」という名前でしたが、今は「契約不適合責任」という名前に変わりました。これは、単に「隠れた欠陥(瑕疵)」があった場合だけでなく、もっと広く「契約の内容に合わないこと」全般に責任を負う、という意味合いが強くなったためです。

具体的にどんな時に責任が生じるか、いくつか例を挙げてみましょう。

  1. 種類・品質が契約と違う場合
    • 例1:雨漏り 「雨漏りはありません」と説明して売ったのに、引き渡し後に実は雨漏りしていた場合。これは「雨漏りがない」という品質の約束が守られていないので、売り主さんに責任が生じる可能性があります。
    • 例2:シロアリ 「シロアリ被害はありません」と契約書に書いたのに、後からシロアリが見つかった場合。これも品質が契約と違いますよね。
    • 例3:給湯器の故障 「給湯器は正常に動作します」と説明したのに、引き渡し直後に動かなくなった場合。
  2. 数量が契約と違う場合
    • 例:土地の面積 「この土地は100坪あります」と契約したのに、測量したら90坪しかなかった場合。これは数量が契約と違います。
  3. 権利が契約と違う場合
    • 例:他人の土地が混じっていた 「この土地は全て自分のものです」と売ったのに、実は一部が他人の土地だった場合。買い手は完全な所有権を得られないので、これも契約不適合にあたります。

じゃあ、売り主さんは何をしないといけないの?

もし契約不適合があった場合、買い手さんは売り主さんに対して、主に次のようなことを求めることができます。

  • 直してもらう(追完請求) 雨漏りなら雨漏りを直してもらう、など。
  • 代金を減らしてもらう(代金減額請求) 直せない場合や、直すより安くする方が妥当な場合など。
  • 損害賠償をしてもらう(損害賠償請求) 契約不適合によって買い手さんが受けた損害(例えば、雨漏り修理費用や、それによって使えなかった部屋の家賃など)を弁償してもらう。
  • 契約を解除する(契約解除) 契約不適合が非常に重大で、その家を買った目的が果たせないような場合など。

いつまで責任を負うの? ここがポイントです!

この期間は契約内容によって決めます。一般的には3ヶ月ぐらいが多いですが、契約内容によっては、売り主さんが一切の責任を負わない「免責」とする場合もあります。特に個人間で不動産を売買する際には、免責とするケースも多いです。

大切なこと

売り主さんとしては、売る前に「この家にはこんな不具合がありますよ」「ここが壊れていますよ」といった情報を、できる限り正直に、具体的に、買い手さんに伝えることがとても大切です。そして、それを契約書にしっかり明記することで、「この情報については伝えてありますよ」という証拠になり、後々のトラブルを防ぐことができます。

まとめると、契約不適合責任は「売ったものが、契約で約束した内容と違っていたら、売り主さんが責任を持つ」という、買い手さんを守るためのルールです。売り主さんは、売る前にしっかりと情報を開示し、契約内容を明確にすることが、安心して取引を進めるための鍵となります。